田西会館社長のブログ
① 3月27日の北海道新聞に「早来ハイヤー廃業」という記事が出ていました。その記事によれば、この会社は早来地区… 続きを読む
2019/04/05
① 3月27日の北海道新聞に「早来ハイヤー廃業」という記事が出ていました。その記事によれば、この会社は早来地区唯一のタクシー会社で、1968年に創業、2代目社長である相沢宏美さんが経営を引き継いだ2005年は同地区に6つのゴルフ場があったこともあり、「行けば必ずお客さんが見つかった」というほど景気が良かったようです。ところが2か所のゴルフ場が閉鎖されるなど数年前から経営が悪化、昨年の胆振東部地震で更にダメージを受け、廃業を決断されたようです。
この社長さんは49歳で、私とほぼ同じ年齢です。全く存じ上げない方ではありますが、その社長の言葉
「町民の足としてできる限り続けたかったが、限界」
「このままでは、体や心も限界に達する」
「先代が裸一貫で築き上げた会社。生まれ育った町を離れるのも名残惜しい。ひいきにしてもらったお客様には感謝でいっぱい」
というそのひとつひとつが胸に沁みます。
② 私自身は地方経済にはまだまだ希望が残っていると信じておりますが、それでもさまざまな数字を紐解いてみると斜陽傾向にあると感じざるを得ません。一倉定先生(経営コンサル)は、斜陽化した事業について「沈みゆく太陽を引き戻すことはできない」として「切り捨てる以外に方法はない」と話しておられました。地方経済活性化のためにさまざまな公的資金も投入されているようですが、そのことについてある方は「大きな海の流れにバケツで水を汲み入れているようなもの」と表現されていました。時代という大きな流れに歯向かうには、私たちはあまりにも非力です。
③ 「斜陽」という言葉で思い出したのですが、昔の天才バカボンの歌に「西から昇ったおひさまが、東に沈む」という歌詞があります。この歌詞にヒントを得て、「西から昇る太陽を見たい」と、あり得ない現象を発生させようとした人がいるとニュースになっていました。
しかも中学生!数学の天才なのだそうです。
どのような方法で太陽を西から昇らせるのかというと、地平線に太陽が沈んだ直後にスカイツリーの高速エレベーターに乗りこみそのまま上昇すると再度お日様を拝める=太陽が西から昇る(ように見える)という方法なのだそうです。発想がユニークというだけでなく、計算によって地上350メートルでは地上の日の入りから160秒後まで太陽が見えていることを算出し、実際にスカイツリーのエレベーターにも乗ってその現象を体験したようです。
④ 天才中学生がユニークな自由研究をするという意味ではとても良いニュースです。しかし、現実に太陽が西から昇るわけではありません。高速エレベーターを使っても再び太陽が見える時間は数十秒ということです。ヒトの力では、沈みゆく太陽を元に戻すことはできません。
地方で会社を経営している端くれとしても、この大きな問題を避けて通ることはできないと考えております。地方経済の行方を見据えながら、どのようにして会社の継続・発展=従業員さん(とその家族)の生活の安定・向上を図るか自問自答する毎日です。